2011年7月23日

白間津のオオマチ


私んが現在住んでいる鴨川から、南へ25キロほど下ったところに千倉と言う町がある。
そこで、4年に一度の奇祭「白間津オオマチ」が行われると聞き、興味を引いたので出かけてきた。


千倉町白間津(シラマヅ)というところは、南房総では良くみられる小さな漁村である。

その港から、家々が立ち並ぶ細い、迷路のような道を山に向かって歩いていくと、突然視界が開けた所に出る。

そこに、この祭りの御神体が収められている日枝神社がある。
この神社は1100年の歴史があるそうだが、神殿へ向かう急な石段を登り海の方を見渡すと、この村が海と山とに挟まれた、半農半漁の村として生きてきたことが良く分かる。


この祭りは白間津の、老若男女全てが参加して行われるが、
私が一番興味を持ったのは「仲立ち」と呼ばれる二人の少年だ。
左が日天(ニッテン) 右が月天(ガッテン)   
この少年は祭礼の2ヵ月前から、家族とは別々の食事をとり、世話役は老人があたる精進潔斎が行われる。そして毎朝、夜明け前に海岸に出て、一升瓶に砂をつめて神社に供える「潮垢離」(ショゴリ)続ける。



そして、この二人は祭礼の日に”神の子”となる。
(今どきの少年に、このように長期間、戒律を守らせるのは並大抵のことでは無い)



「仲立ち」とはも、ちろん神と人との仲を取り持つ存在だが、それが日天=太陽の神、月天=月の神として表れるのがおもしろい。

何の資料も無いので、その歴史的経緯は分からないが、漁師として海に出て、また百姓として田を耕すというこの村の生活から、太陽と月が信仰の対象となったのかもしれない。


それにしても、自分の住む近くの村に、千年以上も戒律を守り、祭礼を続けてきた所があるとは、思ってもみなかった事だ。
祭りのハイライトには、この高さ十数メートルある大きな幟を、村人全員で、海岸通りを仮宮まで引いていく。
この幟は2本あり、ここにも日天、月天が祭られている。

なかなかスムーズにはいかず、何度もの倒れ、その度に周りの見物客が逃げまわる。


倒れることにも意味があるらしいが、時間がかかりそうなので、私は途中で退散した。

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