2009年11月29日

モミ干し

 今年は米をモミのまま保存することにした(その方が食味が落ちないらしい)ので、保存した玄米が無くなるたびに、近所の米屋にモミを持参して「籾摺り」をお願いに行く。

 米の水分量は15%程度が適正らしいが、水分量が多いと籾摺り作業にも時間がかかり、あまり良い顔をされないので、事前にこのように天日干しをしていく。



 60キロのモミが47キロの玄米になったので、約2割がモミガラとなったことになる。

2009年11月13日

田に水を入れる


 本来ならば、田植え後にすぐやらなくてはならなかったことだが、やっと田んぼに水をためることが出来た。
 耕運機を借りてくれば数時間でできる作業だが、意地を張って鍬一丁でやったので、筋肉痛と闘いながら延べ二日以上かかった。                                       

 冬に水をためる「冬季灌水」は一般的な方法ではないが、田んぼの周辺に住む生き物たちを、なるべく豊かにする”ビオトープ”の考え方でやりたいので水を入れた。

 やはり田植えから時間が経ち過ぎて、土が乾いてしまって作業が大変だったので、ここは来年の反省点としたい。

2009年11月5日

「縄文の虹・・・・・」

このブログのタイトルになっている「縄文の虹・・・・」は、前回の投稿記事で紹介した宋 左近氏の著書「日本美 縄文の系譜」の序文の中から引用させていただいたものです。 
                          
 「・・・・時にそれは歴史の上層に縄文の虹を吹きあげました。その虹を見つめて・・・・・・・」      

 長い歴史の中に封印されていることが多いこの時代が、何かのきっかけで表舞台に登場することを例えて使われた言葉だと思います。


 一昨日、鴨川市内で行われたイベントに参加しましたが、そこに登場したゲストスピーカーのある方が「現代は弥生時代の末期であり、次の時代は縄文2.0となる・・・・・」と話されていました。

 そんな考え方もあるんだなと、妙に感心させられました。

 この最新作は、ここで作った中では一番大きい(高さ110センチ)ものです。

タイトルは「縄文の虹・・・」としました。

2009年11月1日

南東北☆ジョウモンの旅

 10月27日から31日まで南東北(福島 山形 宮城)へ旅に出ていた。
縄文の遺跡、資料館、博物館を巡るのが目的であるが、車で回れるところはすべて盛り込んだので、なかなか忙しい旅となった。










 最初に訪れた遺跡で、この地方で発掘される住居跡から出てくる炉の跡はすべて「三角形」であるのを知り、私にとってはとても新鮮だった。
 

 炉の奥には、土器を置く穴が数か所掘られていて(複合炉と言うらしい)ものすごく機能的にできているし、炉の上には”ロフト”が設置されていたようで、これまで自分が知っていたものとはずいぶん違っていた。










 福島県立博物館では、岡本太郎と縄文とを関連付ける企画展が開催されていて、とても興味深かった。 
 数十年前に岡本も東北を旅して、たくさんの写真を残している。今回の自分の旅もそれに触発された部分が大いにある。
 彼も現代に残る”縄文”を求めてこの土地を訪れて、その嗅覚と直感を頼りに、数々のそれらを発見している。



 現代の東北に”縄文的”なるものを求めても無理があるが、奈良時代までは宮城県多賀城より北は「日本」ではなかった。
 この土地が縄文の流れをくむ、蝦夷(えみし)たちの国であったことは間違いないし、大和朝廷の侵略を長く拒み続け、独自の文化を守り続けていたのがここ”東北”である。










 残念ながら縄文人たちは文字を残さなかったので、彼らが何を感じ、何を考えていたかは、こちらの想像力で創り上げるしかない。

 ただこの土地には、それらを助けるヒントがたくさん埋まっているのは間違いないようだ。














      今回の旅の一番最後に訪れたのが、仙台から車で一時間の所にある「宗左近記念縄文芸術館」である。

 宗 左近(そう さこん)氏は詩人であり評論家でもあるが、私の縄文への案内人の一人である。
 文字を残さなかった縄文人たちの思想を、詩人の直観力で
解明しようとされた方です。
 考古学のように、土から掘りだした遺物を頼りにそれを探ろうとするのではなく、後世に残された文学(和歌、短歌、現代詩など)の中から、結晶化された縄文の思想を解きほぐしていく独特の仕事をされていたが、残念ながら本年亡くなった。


  この5日間に車で約1600キロを移動した。
 少々ハードスケジュールだったので、今は頭の中がオールナイトで5本組の映画を観たような状態になっている。
 次回はもう少し余裕のある旅にしたい。