今年は例年になく、田んぼにたくさんのイナゴが飛び回っていた。
稲の葉をかじるので「害虫」にされているが、それほど極端な被害は出なかった。
写真を撮ってやろうとゆっくり近づいたところ、彼が突然こちらに振り向いた。
その時に、私の目と彼の目がしっかりと合ったのである。
相手も逃げ出すわけでもなく、互いにしばらくそのまま見つめあう形となった。
このように”虫と目が合う”という経験は無かったので、とても不思議な時間であった。
・・・かねてよりこの南房総という土地に心引かれ、鴨川市二子という村で築百数十年の古農家に出会い、ここに居を構える。 この村でより土に近い生活を送りながら、ここで出会った”神々”達と心を通わせ、その姿を様々な形で表現したいと考えている。