2009年11月1日

南東北☆ジョウモンの旅

 10月27日から31日まで南東北(福島 山形 宮城)へ旅に出ていた。
縄文の遺跡、資料館、博物館を巡るのが目的であるが、車で回れるところはすべて盛り込んだので、なかなか忙しい旅となった。










 最初に訪れた遺跡で、この地方で発掘される住居跡から出てくる炉の跡はすべて「三角形」であるのを知り、私にとってはとても新鮮だった。
 

 炉の奥には、土器を置く穴が数か所掘られていて(複合炉と言うらしい)ものすごく機能的にできているし、炉の上には”ロフト”が設置されていたようで、これまで自分が知っていたものとはずいぶん違っていた。










 福島県立博物館では、岡本太郎と縄文とを関連付ける企画展が開催されていて、とても興味深かった。 
 数十年前に岡本も東北を旅して、たくさんの写真を残している。今回の自分の旅もそれに触発された部分が大いにある。
 彼も現代に残る”縄文”を求めてこの土地を訪れて、その嗅覚と直感を頼りに、数々のそれらを発見している。



 現代の東北に”縄文的”なるものを求めても無理があるが、奈良時代までは宮城県多賀城より北は「日本」ではなかった。
 この土地が縄文の流れをくむ、蝦夷(えみし)たちの国であったことは間違いないし、大和朝廷の侵略を長く拒み続け、独自の文化を守り続けていたのがここ”東北”である。










 残念ながら縄文人たちは文字を残さなかったので、彼らが何を感じ、何を考えていたかは、こちらの想像力で創り上げるしかない。

 ただこの土地には、それらを助けるヒントがたくさん埋まっているのは間違いないようだ。














      今回の旅の一番最後に訪れたのが、仙台から車で一時間の所にある「宗左近記念縄文芸術館」である。

 宗 左近(そう さこん)氏は詩人であり評論家でもあるが、私の縄文への案内人の一人である。
 文字を残さなかった縄文人たちの思想を、詩人の直観力で
解明しようとされた方です。
 考古学のように、土から掘りだした遺物を頼りにそれを探ろうとするのではなく、後世に残された文学(和歌、短歌、現代詩など)の中から、結晶化された縄文の思想を解きほぐしていく独特の仕事をされていたが、残念ながら本年亡くなった。


  この5日間に車で約1600キロを移動した。
 少々ハードスケジュールだったので、今は頭の中がオールナイトで5本組の映画を観たような状態になっている。
 次回はもう少し余裕のある旅にしたい。

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