待望のヤン・リーピンの舞台を観てきた。
チベット仏教の「輪廻転生」をベースとして、総勢80名ほどの中国少数民族の若者たちが、華々しく歌い踊る。
死と生が途切れることなく続いていく再生の物語は、誰にも分かりやすく表現されていて、しかも心に滲みる。
肝心のヤン・リーピンの出番がとても少ないのが不満だったが、その美しさと存在感は圧巻だった。
彼女が舞う”菩薩”の姿は神々しさとエロスが合体したようで、とても印象深かった。
一方、同じ日に見た映画「10万年後の安全」は、再生されることの無い闇の世界の話。
フィンランドの地下500メートルに建築中の、この地底都市は核廃棄物の墓場である。
10万年の間保管しなくてはならないとされる高濃度放射性廃棄物(日本では今、海に流している。)の処理施設を、淡々と描いているこの映画から伝わるのは、虚しさだけ。
人間は現生から来世にまたがる豊饒な世界を描くこともできるし、出口の見えない終末の世界も作ってしまう。
どのような道を選ぶか、今は選択の時代に入っている。
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