人影もまばらな砂浜で、のんびりと弁当を広げていたところ、猛烈な勢いで、私の寿司弁当に何かがぶつかった。
私はあまりに突然なことに、驚いて後ろに倒れこんでしまった。
何が起きたかまるで分らず、しばらく呆然とし、ひっくり返った弁当箱を眺めていた。
海岸の上空には、いつも空高くトンビが群れをなして飛んでいる。
その内の一羽が、わたしに全く悟られない死角から、音もなく急降下し、私の寿司を襲ったのである。
はるか上空から、その小さな寿司を見つける視力にも恐れ入ったし、全く気づかれることなく襲撃するそのやり方にも驚かされた。
まさしく”肝を冷やす”とはこのことである。
トンビに油揚げ・・・ならず寿司を奪われた出来事であった。
0 件のコメント:
コメントを投稿