これは八世紀、この国の先住民である縄文人の末裔 - 蝦夷(えみし)の若きリーダー、阿弓流為(アテルイ)の半生を描いた物語である。
圧倒的な大和朝廷軍に対して、僅かな軍勢で二十数年間も抵抗を続けた姿が鮮やかに描かれている。
上下二巻の長編作だが、一気に読めてしまう、大変魅力的な歴史小説である。
昨日まで奈良に居た。
ちょうどアテルイが活躍していた時代に都があった場所だが、この国の正史に彼は数行しか登場しない。
歴史は”勝者”のものであるが、蝦夷の側からこの都を見ると、また違った感慨がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿