火山活動を続ける新燃岳。
火口に登る噴煙の姿が「巨人」見えたのが面白くて(被害にあっている方には申し訳ないが)、これをテーマにいくつかオブジェを作っている。
地球全体が”活火山”であることを思い知らせてくれるのは、地震と火山の噴火である。
この星は、人間が作り上げた、たかだか数千年程度の文化や文明などとは無関係に、この惑星独自の生理と思考によって、億年単位の尺度で止まることなく活き続けている。
人間がこの星の主人公であるかのような錯覚を、このように時々打ち破ってもらった方が我々には良い”薬”になる。
縄文の土器と火山とは、大きな繋がりがあるように感じている。
約10万年前から大噴火が繰り返されて富士山の土台が出来上がるが、約1万年前に新富士火山の噴火活動が始まり、現在の富士山(原型)が形作られる。
現在の富士山が形作られるまでには、多くの噴火があり、またそれ以降も300年前までは定期的な火山活動が繰り返されてきました。つまり縄文時代は富士山がまだ大きな活動を続けていたのである。
新燃岳程度の山(標高1421m)でも結構な迫力があるが、それが富士山クラスの山の噴火を間近で目撃したとしたら・・・・・・・。
想像するだけで戦慄を覚えるが、当時の人たちにとっては、非常に大きな心理的影響を受けたことだろう。
富士山の麓に当たる諏訪地方には、優れた縄文土器がたくさん残されているが、この事とは無関係ではないはずだ。
縄文の人たちが、自分たちが置かれている世界を考えるとき、生命活動を生々しく伝える大地の姿に、大きな影響を受けるのは当然のことである。
ましてや狩猟・採集をメインとした、最も自然に近い生活を送っていたわけであるから、その影響の受け方はとてつもなく大きなものであったはずだ。
今回の噴火で、改めてそのことを強く感じた。
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